梅干し作りの終盤、梅の干し方についてご紹介します。
梅干しは、7月下旬から8月上旬にかけての期間中に干すことが一般的です。
この時期は梅雨が明けて晴れた日が続くのが特徴です。
ここでは、梅干しを天日干しする際の基本的な方法に焦点を当ててお伝えします。
「梅の夏季天日干しの条件」
夏の天日干しに適した日は、以下のような特徴を持つ日です。
・快晴の日
・湿度が低い
・風がある
・気温が高い
・降雨の予報がない
これらの条件が揃っていると良いでしょう。
特に重要なのは、雨が降らないことと、湿度が低いことです。
湿度が高くなると雨が降る可能性があるため、梅を干している間は家を空けないようにしましょう。
梅を干す最適な場所
夏季天日干しの場所は、日当たりが良く風通しのいい場所が理想です。
庭やベランダ、窓辺などが適しています。
空気が滞らず、湿気が少ない場所を選ぶことが重要です。
梅を干すための準備
夏季の天日干しをする日の前日には、準備を整えておきましょう。
朝から干し始めるのが理想です。
前日までに準備しておくことで、当日はスムーズに作業を進めることができます。
干すための道具の準備
天日干しをする際には、風通しが良く梅が乾きやすい道具を選びます。
必要な道具は以下の通りです。
- 干し用の道具
エビラ、干しザル、干し網など。 - 水切り用の道具
水切りザル、ボウル、ビニール手袋(赤紫蘇を干す場合)
- 梅を並べる道具
菜箸など。これらの道具は、使用前に洗い、乾かしておくことが大切です。
道具は天日干しで乾かすと、早く乾き、清潔に保つことができます。
日光がない場合は、風通しの良い場所で完全に乾かしてください。
天日干し場所の準備
梅干しを干す場所は、個々の環境に合わせて選びます。
「梅の夏季天日干しに適した日」で挙げた条件に基づいて、最適な場所を選んでください。
干し場所は、日中日当たりが良くなる場所に移動しても構いません。
雨が降る可能性がある場合は、素早く対処できるように計画を立て、風が強い日は梅干しが飛ばされないように注意しましょう。
梅干しの天日干し
いよいよ梅の干し作業を開始します。
初日の作業
【梅を干す 】
①梅を取り出して水切り
最初に、容器から梅を取り出し、水切りザルで梅酢の水分を切ります。
②梅の並べ方
梅を干しザルに適切な間隔で並べます。
密に並べると風通しが悪くなるので注意が必要です。
③ 定期的に梅を返す
梅が均等に干されるように、時折、梅を返します。
梅がザルに張り付いてしまった場合は、無理に剥がさないようにしてください。
【 梅を取り込む 】
① 夕方の取り込み
夕方、まだ梅がほんのり温かいうちに取り込みます。
② 梅酢への戻し方
取り込んだ梅を元の梅酢に戻します。
この時、梅が梅酢に均一に浸るように容器を優しく回します。
通常は初日だけ行いますが、繰り返しても構いません。
【初日の梅の状態 】
初日の終わりには、梅の表面は乾燥していますが、内部はまだ水分を含んでいることが一般的です。
二日目の作業
【二日目の干し方 】
①初日と同様に梅を干します。
途中で梅を返しします。
②夜はそのまま干し続けます。
夜露によって梅はしっとりすることがありますが、自然な現象です。
【 二日目の梅の状態 】
再び梅酢を吸収した梅は、干すと初日より乾燥しています。
梅の表面に白い塩の結晶が現れることもあります。
三日目の作業
【三日目の梅の状態 】
三日目も同様に梅を干し、三日間干した結果、梅は水分を失い、果肉が濃縮されます。
干し加減は好みによりますが、通常は水分が抜けて皮が柔らかくなる頃が適切です。
【干し具合の判断 】
梅干しの干し期間は一般的に三日三晩とされますが、気温や湿度によって調整が必要 です。
梅の状態を見ながら、干す日数を決定し、最適な終了時期を判断します。
干し作業の完了
梅が理想的な状態になったら、取り込みます。
取り込んだ梅は熱湯で清潔にした容器に入れてください。
夏季に天日干しを終えた梅干しは、そのまま別容器に入れるか、梅酢に漬け直すか、お好みで選んでください。
梅酢につけることにより熟成し、梅干しの風味はよりまろやかになります。
赤紫蘇の扱い方
梅と一緒に漬けた赤紫蘇も様々な使い方が可能です。
(1) しっとり赤紫蘇
赤紫蘇を梅酢に漬けたままにしておくと、ご飯のお供や料理に使え
ます。
(2) 乾燥赤紫蘇
赤紫蘇を梅酢から取り出し、水気を切って天日干しをします。
完全に乾燥させて粉状にし、ゆかりを作ることもできます。
道具の手入れ
梅干し作りが終わったら、使用した道具の手入れが重要です。
竹製のエビラや干しザルを水で丁寧に洗った後、天日で完全に乾燥させます。
完全に乾燥したことを確認してから、ビニール袋などに入れておきましょう。
まとめ
梅干し作りの最終ステップである夏季の天日干しは、7月下旬から8月上旬が最適な時期です。
この時期は、梅雨が明け、晴天が続き、湿度が低く風通しの良い日が多いため、梅干しを干すには理想的な条件が揃っているからです。
干す場所の選び方から、梅を干すための準備、実際に梅を干す方法、そして梅干しをどのように仕上げるかという選択肢まで、梅干し作りの重要なポイントをお伝えしました。
さらに、梅と一緒に漬けた赤紫蘇の扱い方や、使用した道具の手入れ方法についても触れています。
この記事を通じて、梅干し作りの全体像を掴み、自宅で美味しい梅干しを作る楽しさを体験してみてくださいね。