梅の木が果実をつけるまでの期間と、それに影響する要素について

梅の木を育てるなら、しっかりと大きく健康的に育てたいものです。
花が咲き、実をつける姿を思い描くと、やはり地面に直接植えたいです。

そこで気になるのが、梅の木が実をつけるまでにどれくらいの時間がかかるのか、ということです。
今回はその詳細を探ってみたいと思います。

梅の実が成るまでの時間

梅の実どのくらいの期間で成るのかは、単純そうに見えても、実は多くの要因に左右されます。


木も生きているので、それぞれ異なる成長ペースを持っています。
個々のペースで成長し、花を咲かせ、実を結ぶのです。
この期間は次のような条件によって変わります。

種から育てる場合
接ぎ木を用いる場合
挿し木による場合

 種を植えて育てる方法

種を植えて育てる梅の苗を「実生苗(みしょうなえ)」と言います。
種から育てる場合、梅の実が得られるまでには大体5~6年、時には10年以上かかることもあります。
発芽させるためには、適切に受粉され成熟した梅の種が必要です。
市販の青梅は成熟期に収穫されますが、見た目が青い未熟なものが混ざることもあります。

種を植える際には、完全に熟した梅の種を選ぶことが重要です。
また、発芽率を高めるためには、複数の種を植えることがおすすめです。
ただし、種から育てると梅の品種が特定できないリスクがある点は注意が必要です。

 接ぎ木による育成方法

市場でよく見かける梅の苗木の多くは、接ぎ木で育てられています。
接ぎ木とは、既存の梅の木に成熟した枝を接合する技術です。
早めに花や実を見たい場合、以前に実をつけたことのある枝を接ぎ木すると良いでしょう。

通常、市販される接ぎ木苗は1~2年齢のものが多く、植えてから3〜4年後に実がなることが期待されています。
接ぎ木苗は育てやすく、植物を育てる初心者にも適しています

挿し木による育成方法

挿し木は、成長した木の枝を切り取り、土に植える手法です。
成功すれば、その枝が根を張って成長します。
梅の場合、挿し木での根付きは難しいとされますが、不可能ではありません。

野生系の梅の品種、特に原種に似ているものは、根付きが良くなる傾向にあります。
種から育てるよりは花が早く咲く可能性がありますが、根付きや育てるのには一定の努力が必要です。

育てやすさを考えると、接ぎ木苗が良い選択と言えるでしょう。
また、地植えか鉢植えかによって育成年数が変わることも覚えておきましょう。

 梅の実を得るために必要な条件と品種の選び方

日本には「桃栗三年柿八年、梅はすいすい13年」ということわざがありますが、梅の実が成るのに実際に13年かかるわけではありません。
しかし、梅の木が自然に花を咲かせ、実を結ぶためには適切な品種選びが重要です。

花梅と実梅の品種選び

には様々な品種があり、大別すると「花梅」と「実梅」があります

花梅はその美しい花を楽しむため、実梅は果実を収穫するために栽培されます。
果実の収穫を目指す場合は実梅の品種を選ぶべきですが、単に品種を選ぶだけでは実がつきにくいこともあります。

自家不結実性の理解

梅の多くの品種は、自分自身の花粉では実を結ばない性質があります。
この特性を持つ梅は「自家不結実性」と呼ばれます。
このタイプの品種では、他の品種の花粉で受粉する必要があります。

ただし、すべての品種が互いに受粉し合えるわけではないので注意が必要です。
自家結実性」の品種を選ぶ場合、その品種だけで実をつけることができます。

一方で、「自家不結実性」の品種を選ぶ場合は、相性の良い他の品種を受粉樹として一緒に植える必要があります

例えば、「甲州最小」、「竜峡小梅」、「花香実」などは自家結実性品種で、受粉樹は必要ありません。
しかし、「白加賀」、「南高」、「鶯宿」などの品種は受粉樹が必要です。

なお、結実性は年ごとの自然条件によって大きく変わるため、苗木の販売サイトによって情報が異なることもあります。

同じ品種であっても、ある会社では自家結実性と記載されているものが、別の会社では受粉樹が必要とされることがあります。
したがって、準備をしておくことに越したことはありません。

 種から梅を育てる際の品種と結実性

から梅の木を育てることは、種から育てると品種がはっきりしないことがあり、自家結実性があるかどうかの問題も生じます。

先にも述べたように、発芽させるためには熟した種を選ぶことが大切です。
梅の木が近くにない場合は、市販の熟した梅から種を選ぶしかありません。
少し傷がある梅も種として利用できます。

真剣に発芽を目指すなら、加工していない熟した梅の種を選ぶのがベストでしょう。

まとめ

梅の木がをつけるまでの期間は、多くの条件が影響することをお伝えしました。
まずは種から始めて、発芽すれば幸運です。
傷ついた梅や潰れた梅も鉢に植えてみるのも良いアイデアです。

庭や鉢植え、盆栽などで梅の木の育成を楽しめます
梅の木はその美しさや香りで知られており、どんな形で育てても喜びをもたらしてくれます。
毎年、少しずつ大きくなる梅の木を、一生懸命に世話をして、愛情をたっぷり注ぐことは素晴らしい挑戦ですね。

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